社長挨拶


近年、自然環境と共存する社会の在り方について、漸く再注目されてきたように感じます。

近いところでは、戦後の高度経済成長期の建築ラッシュにより建築された建物がリフォーム期を過ぎ、
再建築や改築等が済んだ後に敷地内にある大木が危険だということに気付いたり、増加の一途を辿る空家物件で
敷地内の樹木をどうするのかという問題が多く発生したりすることで、やっと樹木が大きくなりすぎて危険な状況だと実感する。

視野を少し広げると、林業木材業の衰退とともに森林の環境破壊に拍車がかかり、熱帯気候化が進み、
気候の変化が顕著に見られるようになっている今、改めて台風や大雨などの自然が猛威を振るうことへの
無力さを痛感しだしたことなど、他にも様々な状況変化が見られるようになりました。

そういう変化を目の当たりにしたから、再注目されてきたのだと思います。

全ては自然環境を蔑ろにし、共に歩まなかったことが原因と考えます。

江戸時代より前は、木は使うもので植えるというのも一部でしか行われなかった行為であり、
そうすると少しの荒天のたびに街が流されるという事案が相次いでいました。
大水で氾濫すると堤防のかさ上げをし、それでも流されるときは罪人を埋め人柱とした箇所もあると文献にもあります。

江戸幕府となり、ナンセンスに気付いた学識者が、このままではいけないと初めて行政機関として
土砂流出防備と水源林思考で保水力を重視し、山林に木を植えることをしました。
同時に河川工事を含め現代のインフラ整備の基礎となる整備を行い、街に安全が戻りました。

現在、令和の時代となり、どうでしょうか。

昭和後期から崩れてきた何でもコンクリート構造物を入れたら解決するという間違えた環境整備と
平成最後までのナンセンスな思考ではなく、ほんの少しだけ前向きになったように感じます。

木を使うことは、気を遣うこと。

木を使わないことは、環境に気を遣わないということ。

樹木は知らず知らずのうちに大きく育ちますが、手入れを怠ると土壌不良になり全てが崩壊します。
環境に対して気遣いするということはうまく森林を使うことと言っても過言ではありません。

もう今となっては、戦後からのシステムは有効ではなく、既得権益を貪る森林行政を行っていては、
安心して生活できるまともな環境へは戻せません。

そのような端境期にある現代。

1998年に起きた「大阪南部山林壊滅!」という見出しの大型台風被害による激甚災害地に指定された森林のほぼ全てを踏査し
災害復旧プランを策定してきた実績や、平成30年の台風被害により、岸和田市役所や大阪府の土木事務所から
施工実績を基に多大な信頼を得てきました。

現場は過去にない危険な惨状に見舞われることが増えました。

その困った事案を解決するべく、林業を生業として数十年のスペシャリスト人材を集結させました。

それが泉州林業です。

まだまだ歴史の浅い会社ですが、絶大な信頼と安心感を感じていただけるよう

変わりゆく環境と共に、皆様と共に歩んでいき、皆様からの感謝の言葉

「ありがとう」

を沢山頂戴できますよう、日々邁進していく所存です。

皆様に ご愛顧、ご指導、ご鞭撻の程をお願い致しまして、

簡単措辞ではございますが、あいさつに代えさせていただきます。

令和3年5月18日

       

代表取締役